【相続対策にリースバック】を利用すると多くのメリットがあります。不動産相続や不動産登記に関わる記事が、先日の日経新聞に出ていました。【相続対策にリースバック】をご提案する「マイホームだけは守らナイト」スタッフにとっても興味深い内容となりますので掲載します。この改正は不動産や不動産や建設会社の実務がスムーズに進行し、相続不動産の所有者や居住者が雪崩を打ってこれから動きだす、簡単に言えば「権利の上に眠る者を保護しない改正」といったものです。
1.保護される権利は10年で消滅
前回の相続法改正では配偶者居住権や寄与分等で介護等をした家族の権利を保護する内容でした。
ところが今回の改正では、「10年までよ」というのが大きなポイントとなります。
1-1.寄与分、特別受益、配偶者居住権
まずは、平成30年の相続法改正の中から寄与分、特別受益、配偶者居住権について簡単に触れておきます。
せっかく親が残してくれた財産をめぐり、仲のよかった兄弟姉妹が財産分与で対立し、相続が10数年一向に進んでいないといったケースも少なくありません。
そのような相続争いの要因として多いのは、特定の相続人だけが生前の被相続人の介護を背負ってきた、ある相続人だけがまとまった資金をもらっているといったものです。
遺言が無い場合、相続人全員で「遺産分割協議」を行います。遺産分割の目安として民法で定められた「法定相続割合」通りに分割すると、上記のような相続人がいる場合の不公平感が否めません。
そこで民法改正で、介護に多大な貢献をした相続人に対してプラスされる「寄与分」、生前贈与を受けた相続人に対しては、その分の差引く「特別受益」という制度などが設けられました。
他にも残された配偶者を守る制度として、「配偶者居住権」があります。
残された配偶者が被相続人の所有する建物(夫婦で共有する建物でもかまいません。)に居住していた場合で,一定の要件を充たすときに,被相続人が亡くなった後も,配偶者が,賃料の負担なくその建物に住み続けることができる権利です。
残された配偶者は,被相続人の遺言や,相続人間の話合い(遺産分割協議)等によって,配偶者居住権を取得することができます。
配偶者居住権は,第三者に譲渡したり,所有者に無断で建物を賃貸したりすることはできませんが,その分,建物の所有権を取得するよりも低い価額で居住権を確保することができるので,遺言や遺産分割の際の選択肢の一つとして,配偶者が,配偶者居住権を取得することによって,預貯金等のその他の遺産をより多く取得することができるというメリットがあります。(法務省HPより)
1-2.長引く遺産分割協議
今回の改正で10年までというのはどのようなことなのでしょうか。10年放置した不動産はどうなってしまうのでしょうか・・・
今までは、遺産分割協議を行うタイミングに期限は無く、寄与分や配偶者居住権も永久に権利を主張できました。
それを許容し過ぎたために数十年に亘って相続登記が為されないという問題が発生しました。
また、寄与分や特別受益を考慮すると、遺産分割協議に時間がかかり、対立が更に深刻化しかねません。
被相続人介護の多大な貢献に対して増額を主張する相続人に対して、他の相続人は気乗りが薄く、特に特別受益に関しては、実のところ生前贈与の金額の確認が難しいようです。贈与した本人は亡くなっていますし、生前贈与を受けた相続人は受けたことすら認めないケースもあるようです。
2.相続登記と空き家問題
遺産分割協議がまとまらない限り、相続の手続は進みません。そのままの状態で放置というより、時間が過ぎてしまったのでしょう。ですが、相続登記がされないと何が問題かと言いますと、不動産の権利が確定しません。
不動産の権利が確定しないということは、その不動産は、管理やもされず処分もされず、結果として放置された空き家が増加してしまいます。空き家の増加によって、犯罪や災害の際に問題となりますし、放置された建物は、劣化して倒壊のリスクも高まります。
また、2030年前後には全国平均で3戸に1戸が空き家になるという試算がありますが、そうなると酷い状況となります。自分の近所を想像してみてください。自分のマンションのどちらか隣の部屋がずっと空き室。自分の家のどちらか隣の家がずっと空き家。気味が悪いですよね。
この様な「空き家問題」をできるだけ少なくしようというのが、今回の相続登記の義務化に関係しています。
下記のPDF書類、第4.相続等 3 遺産分割に関する見直しの部分を読むと、相続登記の義務化という事とセットに遺産分割協議の期間限定という内容が盛り込まれております。
この部分は平成30年の相続法改正で権利が守られていた相続人にとって、重大な内容だと思います。ずっとそのままにしてきた遺産分割の話も、10年以内に決着しなければ、法定相続分しか権利が無くなってしまいます。
法制審の総会で民法や不動産登記法などの改正案の要綱を示し、政府は3月に改正案を閣議決定し、今国会で成立させ、2023年度にも施行するそうです。
日経新聞記事はこちら電子版なら全部読めます。
https://s.nikkei.com/2OpA7wj
不動産関係のところでは特に大きく関係しそうなのが以下の3項目になります。簡単にピックアップします。
相続登記を義務化
取得を知ってから3年以内に登記申請が義務化。違反すれば10万以内の過料に。
それ以外にも、前述した10年以上遺産分割協議を10年放置した不動産に関しては法定相続分で登記をするという項目もあります。
この法定相続分で登記をするという内容が、不動産市場や相続トラブルの増加に特に影響しそうです。
実際に、私の周りにも相続登記を数十年にわたって、そのままにしている方がいらっしゃいます。
とにかく早く相続登記の手続きをするようにとお話をしております。
多くの場合にはその土地建物に相続登記を完了せずに住み続け、代替わりしています。
そのような場合、本来相続持分がある親戚の方等はすっかり相続持分がある事を失念しております。
ところが、今回の処置で法定相続分の登記をするとなると、全く関知していなかった親戚の方達も土地建物等の不動産の相続持分が登記されると権利意識を持ちます。
たとえば、親から引き継実家に住む長男が、ある日突然、相続登記未了の実家を親族と相続持分を共有するような状態になってしまいます。
権利があって共有持ち分だけ登記された親族はどう思うでしょうか…恐らく持分があっても使えないならお金にしたいと考えるのが自然です。
その為、共有部分の購入を長男の息子でそこに住んでいる人は突きつけられるのではないかと思います。
そこに住んでいる息子は不動産の価値が高いのは分かるが、共有分を全部買い戻す余力は無く、あえなくそこを売却して引っ越していく。そんな姿が目に浮かびます。
まとめ
それ以外でも、住基ネットで行政が死亡情報を登記するだったり、死亡者が名義人の不動産一覧を行政が発行する等の案が取り沙汰されています。
個人のプライバシーよりも公共の福祉というか社会の持続可能な存続の為に舵を切った感じです。
以下は後日、別の記事でお伝えするつもりでおりますが、
土地の所有権を放棄しやすく
建物や土壌汚染が無ければ土地を国庫に返納という話もあります。