
「老後の住まいを守る手段として」「住宅ローンの返済が厳しいときの解決策として」──そんなキャッチフレーズで耳にする機会が増えたリースバック。しかし、その便利さの裏には見過ごせないデメリットが潜んでいます。
この記事では、リースバックを検討中の方やすでに利用している方に向けて、そのリスクや注意点を丁寧に解説します。将来後悔しないためにも、まずは「本当に自分にとって有利な選択なのか」を冷静に見極めていきましょう。
向井 啓和 不動産アドバイザー
不動産・資産運用分野で20年以上の経験を持ち、シニアの住まい・リースバック支援・不動産の相続対策等に注力。わかりやすく、クリアな情報提供をモットーにしています。
※本記事でご紹介した内容は、2025年5月9日作成時の、市場データや公表資料をもとにまとめた一般的な情報です。物件の条件や時期によって状況は変わるため、具体的な契約判断は当社窓口や専門家にご相談ください。(2025年12月12日更新)
リースバック契約で後悔しないために、利用者が陥りやすい3つの落とし穴を解説します。
特に、賃料の急激な改定リスクや、買戻し価格の不当な設定、定期借家契約の罠など、失敗事例から学ぶべき注意点を網羅。契約前に知っておくべき回避策と必須のチェックリストを専門家が提供します。
目次
- 1.そもそも「リースバック」とは?
- 2.リースバックのデメリット9つ
- 3.リースバック 実際の体験談
- 4.リースバックは“家に住める権利”が永続的に保証されているわけではない点に注意を
- 5.リースバックは「最終手段」として考えるべき?──親世代と子世代、ズレる気持ちと備える知恵
- 6.まとめ
1.そもそも「リースバック」とは?
リースバックとは、自宅をいったん不動産会社などの第三者に売却し、その後は賃貸契約を結んで引き続きその家に住み続けるという仕組みです。
「住み慣れた我が家にいながら、現金化もできる」という点が注目され、近年利用者が増えつつあります。
しかし、その裏には見落としがちな“落とし穴”がいくつも存在します。以下では、リースバックを利用する前に必ず知っておきたい主なデメリットを9つ紹介します。
2.リースバックのデメリット9つ
リースバックのデメリットを9つ挙げてみました。中には、契約時に注意しておけば避けられるデメリットもありますので、しっかり把握しておくことが大切です。
デメリット1. 売却価格が市場より低くなることが多い
リースバックでは、物件を市場価格よりも安く売らざるを得ない場合がほとんどです。
業者側としては、将来の家賃収入や再販による利益を見越して値付けをしてくるため、一般的な売却よりも不利な条件になる可能性が高いのです。
デメリット2. 家賃が相場より高く設定されることも
一見「住み続けられるならいいじゃん」と思われがちですが、実はリースバック契約後の家賃は周辺相場よりも高めになる傾向があります。
なぜなら、業者が物件取得にかけたコストを回収するために、利回りを重視して家賃を設定するからです。
※ただし、家賃を下げる方法もあります。
デメリット 3. 所有権を失い、将来の相続に影響

リースバックをすると、その時点で家の所有権は業者に移ります。つまり、いずれ子どもに家を相続させたいと考えている場合には、この手段は大きな障害になります。
デメリット4. 契約内容の変更リスク
賃貸契約の更新時や、契約途中に業者側の都合で家賃の引き上げや契約内容の変更が求められることもあります。「安心して住み続けられる」とは限らないのが現実です。

デメリット 5. 「買戻し」できないこともある
「将来まとまったお金ができたら買い戻したい」という考えで契約しても、業者側が買戻しに応じてくれないというケースもあります。
契約書に明確な条項(買戻し特約)があるかどうかをしっかり確認することが不可欠です。
デメリット6. 業者が倒産すると住めなくなる危険も
万が一、リースバック業者が倒産すると、その物件が第三者に競売に出される可能性があります。その際、新しい所有者から退去を求められるリスクが発生します。
デメリット 7. 契約更新できず退去を迫られることも
多くのリースバック契約は「定期借家契約」で結ばれているため、契約満了時に自動更新されないケースもあります。
長く住み続けたい場合には、契約更新の可否はとても重要です。必ず契約前に確認するようにしましょう。
デメリット 8. 契約上のトラブルが多発

契約内容の不一致、買戻し拒否、家賃未払いによる退去など、さまざまなトラブルが現実に起きています。
専門家による契約書のチェックは必須です。一括無料査定で専門家を挟むというのも、トラブルを避ける1つの方法となります。
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デメリット9. 家賃滞納で信用情報に傷がつく

もし家賃を数か月に渡って滞納してしまった場合、信用情報機関に「事故情報」として登録され、いわゆる“ブラックリスト”に載る可能性もあります。これにより、今後のローン審査やクレジット契約に大きな影響が及びます。
3.リースバック 実際の体験談
「助かったはずなのに、逆に出て行く羽目に…」
──70代・主婦・Hさんのケース

住宅ローンの返済が厳しくなり、テレビCMで知ったリースバックを検討し始めたHさん。業者の「ずっと住み続けられますよ」という言葉を信じ、契約に踏み切りました。
「契約直後は本当にホッとしました。ローンからも解放されて、引っ越さずに済んだのが一番嬉しかったです。でも…」
1年後、家賃が2万円上がる通知が届きます。加えて、契約は「定期借家」だったため、3年の期限を迎えた時点で更新不可となり、退去を迫られることに。
「それなら最初から賃貸に引っ越した方が良かった…と後悔しました。今は娘夫婦の家に身を寄せています」
4.「“家に住める権利”が永続的に保証されているわけではない点に注意を」

「リースバック契約では、“自宅を売却した後もそのまま住み続けられる”というメリットが強調されがちですが、実際には多くの契約が『定期借家契約』であり、契約更新が保証されていないケースがほとんどです。
また、
買戻し権についても、契約書に『応じる義務なし』と記載されていれば、業者側が拒否することは合法的に可能です。
つまり、“戻せるつもりでいたのに戻せない”という事態が現実に起こり得るのです。
契約時には、弁護士や不動産の専門家による内容チェックを必ず行うことを強くお勧めします。
『よくあるトラブル』の多くは、“よく確認しなかったこと”に起因しているのです。」
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5.リースバックは「最終手段」として考えるべき?
──親世代と子世代、ズレる気持ちと備える知恵
リースバックは、資金繰りに困った際に“住みながら自宅を現金化できる”という便利な仕組みです。
しかし一方で、その仕組みの裏にあるのは「もうその家は自分のものではなくなる」という現実。
特に高齢者にとって、住み慣れた我が家を失うことは、単なる「財産の移動」以上の大きな喪失感を伴います。
● 親「まだ元気だし、自宅は絶対手放さない」

よくあるのが、一人暮らしをしている高齢の親が、「このまま何も変えずにいたい」と強く願うケースです。
● 子「でも将来が心配。介護費用や施設入居資金が…」

一方で、離れて暮らす子世代は、「親が倒れたら?」「施設に入る費用は?」と、現実的な問題を見つめています。
介護は突然始まります。そして、いざというときに十分な資金がないと、本人も家族も選択肢が大きく制限されてしまうのです。
リースバックは“家を守るための策”ではない
リースバックは、「将来の相続を考えて実家をキープしたい」「老後もずっと住みたい」という希望には合致しません。
親子で早めに“話し合い”をしておこう

感情的な対立にならないようにするには、まず親子間で冷静に、「将来どうしたいか・どうなったらどうするか」という“もしもプラン”を話し合うことが大切です。
リースバックよりも適した選択肢も
・家の名義や権利関係の整理
・リバースモーゲージの検討
・早期に家族信託を活用しておく
など、目的によってより柔軟で長期的な選択肢もあります。
ワンポイント:感情の橋渡しをするには?
「いきなり“家を売ったら?”と言うと怒られました…」という声もよく聞きます。そんなときは、こんな言い方がおすすめです。
「万が一、入院とか施設入ることになったら、お母さんどこがいい?」
「今は全然元気だけど、将来のこと考えて準備だけでもしとこっか?」
「“売るかどうか”じゃなくて、“どんな選択肢があるか”を知るだけでも安心だよ」

“家を売る前提”ではなく、“未来の安心のための作戦会議”として伝えるのがコツです。
親の安心と子の備え、そのどちらも守るために──まずは、話し合うことから始めてみましょう。
6.まとめ
リースバックは決して悪い仕組みではありませんが、十分な知識と準備がなければ、かえって生活を不安定にしかねません。便利さだけに目を奪われず、契約内容の確認と長期的な視点を持つことが、何より大切です。
この記事が、あなたやあなたの大切な人の「住まいと人生を守る」ヒントになれば幸いです。リースバックの“甘い言葉”の裏にある現実を、どうか見失わないでください。
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