最近、「リースバックやめとけ」という動画や記事をよく目にします。私自身も同じように感じる場面もありますが、それは一般的な状況に限った話です。
個別の事情によっては「リースバックやめとけ」ということが当てはまらない場合もあります。ここではそのような事情の中から、高齢者の親が老人ホーム入居を控えている場合について考えていきます。
目次
- 高齢者の親と老人ホーム入居の課題
- 親の気持ちと子供の心配
- 自宅売却で老人ホーム入居資金を確保する最善の方法
- リースバックが第2の最善策
- 親の立場とリースバックの利点
- 「リースバックやめとけ」という意見
- まとめ
1.高齢者の親と老人ホーム入居の課題
高齢者の親を抱える家庭なら、老人ホーム入居はある程度の検討課題であると思います。特に認知症が進んできたり、介護度が上昇している親をお持ちの方にとっては切実な問題です。しかし、親の立場からすると、まだまだ自分で生活できるし、自宅での生活に問題を感じていないし、娘や息子からそんな話をされたら面白くないでしょう。ですが認知症が進行した後では不動産の処分は難しくなります。
2.親の気持ちと子供の心配
親は「まだまだ大丈夫」と慣れ親しんだ町や家で最後まで生活したいと思っています。
一方、子供たちは母親が倒れた際、誰も気づかなかった場合や、認知症が進んで火の消し忘れをしたり、介護度が上がって自力で生活できなくなった場合を心配しています。また、経済的には親自身が老人ホーム入居資金を確保しておいてくれることを望んでいます。
3.自宅売却で老人ホーム入居資金を確保する最善の方法
自宅売却で老人ホーム入居資金を確保する最善の方法として、なるべく高く売りたいと考える場合、認知症の進行や、介護度の上昇が見られつつある親と、よく話し合い、自宅を売却して老人ホーム入居資金を確保し、老人ホームに入居することです。
そうすれば、家を実勢価格で売ることができるので、高い売却価格を得ることができます。
でもこの方法では、住み慣れた自宅に住み続けたいという要望が叶いません。親からは強く反対されるかもしれません。
4.リースバックが第2の最善策
リースバックが第2の最善策として活用されている理由は、自宅に住み続けたい親と、認知症などになる前に自宅を売って老後資金を準備しておいてほしいと思う子供の考えが叶うからです。
リースバックは自宅を売却し資金を確保した上で、その自宅をそのまま借り戻すという方法です。
例えば、3000万円の物件を2100万円でリースバックで売却することで、約2000万円の老人ホーム入居資金を確保することができます。
このリースバックという売却方法により、子供たちが心配している老人ホーム入居資金の確保でき、親は老人ホーム入居が必要になるまで住み続けることが可能です。
5.親の立場とリースバックの利点
親の立場からすれば、自宅をリースバックで売却することも、不本意かもしれませんが、即座に住み慣れた家を退去する必要がなくなります。
これは実際、私たちがお客様とのやり取りを通じ、「リースバックがお客様にとって有益」な点は、「住み慣れた家に住み続けられる」ことだと教えて頂いたと言えるでしょう。
6.「リースバックやめとけ」という意見
「リースバックやめとけ」という意見を持つ方々の動画や記事を拝見していますが、そのほとんどに共通して言えることがあります。
彼らはいくつかの問題点を指摘していますが、リースバックを検討している人々の問題解決にはあまり取り組んでいないように感じます。
7.まとめ
「リースバックやめとけ」という意見が多く存在しますが、問題解決の次善の策としてリースバックは有効な手段となる場合があります。
特に認知症予備軍の高齢者や介護が必要な高齢者の場合に適しています。親の同意を得て通常の不動産売却と老人ホーム入居が最善の策ですが、多くの場合は親の同意が得られません。
そのため、認知症が進行し、子供が老人ホーム入居資金を負担するといった最悪の状況になる可能性もあります。
リースバックはそのような最悪の状況を避ける有効な選択肢となります。
今回は、「リースバックやめとけ」という意見に対する1つの解釈と、リースバックの利点を説明しました。
個々の事情によって最適な解決策は異なるため、親や家族との話し合いを大切にして適切な選択をすることが重要です。