2023.06.30更新
最近、「リースバックやめとけ」という動画や記事をよく目にします。私自身も同じように感じる場面もありますが、それは一般的な状況に限った話です。
個別の事情によっては「リースバックやめとけ」と言えないのでは?という状況もあります。ここではそのような事情の中から、高齢者の親が老人ホーム入居を控えているご家族を例に考えていきます。
目次
- 高齢者の親と老人ホーム入居の課題
- 親の気持ちと子供の心配
- 自宅売却で老人ホーム入居資金を確保する最善の方法
- リースバックが第2の最善策
- 親の立場とリースバックの利点
- 「リースバックやめとけ」という意見
- まとめ
1.高齢者の親と老人ホーム入居の課題
高齢の親を抱えるご家族なら「老人ホーム入居」はある程度の検討課題であるかと思います。特に認知症が進んできたり、介護度が上昇している親御さんをお持ちの方にとっては切実な問題です。しかし、親の立場からすると、まだまだ自分で生活できているし、自宅での生活に問題を感じてもいません。娘や息子からそんな話をされたら面白くないでしょう。ですが認知症が進行した後では不動産の処分は難しくなります。
2.親の気持ちと子供の心配
親は「まだまだ大丈夫」と慣れ親しんだ町や家で最後まで生活したいと思っています。
一方、子供たちは高齢となった親に対して「もし家の中で倒れ、そのまま誰にも気づかれなかったら」「もし認知症が進んだら、火を消し忘れて火事を起こすかもしれない」といった心配をしているものです。
また、「介護度が上がり、自力で生活できなくなった場合には、老人ホーム入居が必要か否か」と考えます。でも親の老人ホーム入居金を準備できる程の経済的な余裕はありません。親自身が老人ホーム入居資金を確保しておいてくれることを望んでいます。
3.自宅売却で老人ホーム入居資金を確保する最善の方法
自宅売却で「老人ホーム入居資金を確保する最善の方法=なるべく高く売る方法」と考えるなら、今はまだ、元気で問題なく自宅で暮らしている親と、よく話し合い、自宅を通常売却して、すぐに老人ホームに入居してもらうことです。
そうすれば、家を実勢価格で売ることができるので、高い売却価格を得ることができます。
でもこの方法では、住み慣れた自宅に住み続けたいという要望が叶いません。親からは強く反対されるかもしれません。
4.リースバックが第2の最善策
リースバックが第2の最善策として活用されている理由は、自宅に住み続けたい親と、認知症などになる前に自宅を売って老後資金を準備しておいてほしいと思う子供の考えが叶うからです。
リースバックは自宅を売却し資金を確保した上で、その自宅をそのまま借り戻すという方法です。
例えば、3000万円の物件を2100万円でリースバックで売却することで、約2000万円の老人ホーム入居資金を確保することができます。
このリースバックという売却方法により、子供たちが心配している老人ホーム入居資金を確保することができ、親は老人ホーム入居が必要になるまで住み続けることが可能です。
5.親の立場とリースバックの利点
親の立場からすれば、リースバックで自宅を売却することも、不本意かもしれませんが、即座に住み慣れた家を退去する必要がなくなります。
これは実際、私たちがお客様とのやり取りを通じ、「リースバックがお客様にとって有益」な点は、「住み慣れた家に住み続けられる」ことだと教えて頂いたと言えるでしょう。
6.「リースバックやめとけ」という意見
「リースバックやめとけ」という意見を持つ方々の動画や記事を拝見していますが、そのほとんどに共通して言えることがあります。
彼らはいくつかの問題点を指摘していますが、リースバックを検討している人々の問題解決にはあまり取り組んでいないように感じます。
7.まとめ
「リースバックやめとけ」という意見が多く存在しますが、問題解決の次善の策としてリースバックは有効な手段となる場合があります。
特に認知症予備軍の高齢者や介護が必要な高齢者の場合に適しています。金銭面で言えば、通常の自宅売却で資金を確保し、老人ホームに入居することが最善の策ですが、多くの場合は親の同意が得られません。
そうこうしているうちに、認知症が進行し、親の家の売却が思うように進められず、結果として子供が老人ホーム入居資金を負担するといった最悪の状況になる可能性もあります。
リースバックはそのような最悪の状況を避ける有効な選択肢となります。
今回は、「リースバックやめとけ」という意見に対する1つの解釈と、リースバックの利点を説明しました。
個々の事情によって最適な解決策は異なるため、親や家族との話し合いを大切にして適切な選択をすることが重要です。