【リースバック】は、評価額が高めに出る傾向にあります。
それは、不動産を活用した資金調達の方法として現在の市場価格に準じた価格の査定となっているからです。
【リースバック】と比較検討される契約に、「リバースモーゲージ」や、「不動産担保ローン」がありますが、マンションの場合はやはり、【リースバック】が断然、効率的です。ここ数年の世の中の変化も影響し、将来的に買戻しもできる【リースバック】のニーズが益々高まっております。
ここではマンションの【リースバック】について、他の資金調達の方法と比較してお伝えいたします。
1.リバースモーゲージ マンション
マンションの市場価格
マンションの市場価格は、土地の価値よりも建物の評価となります。そのため金融機関が取扱うリバースモーゲージも、ノンバンクなどが扱う不動産担保ローンもマンションの評価額は非常に低く、融資額が伸びづらいのが現状です。
また、リバースモーゲージ自体が、日本では適用されないケースも多く、今のところ三菱UFJ銀行(旧三菱東京UFJ銀行)、三井住友銀行、りそな銀行では、マンションのリバースモーゲージの扱いを行っていないようです。
2.リバースモーゲージ マンション評価額
リバースモーゲージは、亡くなった際に売却される物件の価格を想定される取引となりますので、建物の評価額は、ほぼゼロとされます。
また、戸建の場合には、土地として売却する事を想定される価格となります。ですから解体費用というマイナスが含まれており、多くの場合この解体費用が土地価格を引き下げる要因となります。
そのため将来、土地の市場価格から解体費用を除いた金額が将来の価格が不明であるという事から、6掛け等した金額が評価額とされます。
3.不動産担保ローン マンション評価額
不動産担保ローンの際のマンション評価額は、リバースモーゲージと比較すると高くなります。それでも建物価値はかなり低く評価されてしまいます。
そのため、実勢価格が高いからとマンションの不動産担保ローンで資金調達を考えたものの、実勢価格の半分程度でしか見てもらえなかったということが多くあります。
4.リースバック リバースモーゲージ 不動産担保ローン 評価額とLTV
リバースモーゲージなどの銀行融資や、不動産担保ローンの場合には、評価額自体が低くなります。また、その評価額に対してどこまで現金を貸すかというLTV(Loan To Value)という数字も低く抑えられております。
LTVはあくまでも想定の価格でご説明いたしますが、
住宅ローンの場合には100%~90%前後(*)であるのに対して、リバースモーゲージや不動産担保ローンは70%~50%くらいになります。
つまり、住宅ローンで購入した時には、ほとんど自己資金を使わずに済んだマンションでしたが、住宅ローンを完済後、このマンションを活用して、いざリバースモーゲージや不動産担保ローンで借り入れをしようとしても、低いLTVでしか借り入れができないということです。
※ローントゥバリュー(Loan to Value、LTV) とは、借入金の安全の度合いを測る指標のことです。
借入比率と呼ばれることもある。金融機関が融資する際、金融機関の安全を確保する観点から当該貸出の担保物件 (不動産や株式など) の価値を算定します。この担保価値に一定の率 を掛け、その金額を上限として貸出します。このパーセンテージは「担保掛目」と呼ばれ、日本で昔から導入されているシステムです。
たとえば、
目黒区三田の3LDKのマンション 築10年
時価 8,000万円
住宅ローン額 8,000万円 (評価額8,000万円×LTV100%*=8,000万円)
不動産担保ローン額 3,500万円(評価額5,000万円×LTV70%=3,500万円)
リバースモーゲージ額 2,100万円(評価額3,000万円×LTV70%=2,100万円)
リースバック額 6,400万円 (評価額8,000万円×リースバック掛目80%=6,400万円)
LTV100%* (住宅ローンの場合には厳密にはLTV自体は90%かもしれませんが、借主の与信で100%にもなります。)
これは、正確な数字ではありませんが、判断の目安として、このようなイメージでお考えいただければと思います。
リバースモーゲージは、金額がほとんど出ません。ですからマンションで行う人はほぼいらっしゃならいでしょう。
一方、不動産担保ローンは、金額が少なくても利用されるケースはあります。
その中で、特にマンションのリースバックは、資金を多く調達できるますので、先頃も利用されるケースが増えております。
(ただし、所有権が移転されるという事と、今後は賃料を払わなければならないので、そこがネックとなり踏み切れない場合もあります。)
まとめ
マンションの場合、購入時にはほとんどを住宅ローンで賄うことができます。
一方、資金調達の手段としては、不動産担保ローンやリバースモーゲージでは、思うような額の借り入れは望めません。
これら不動産担保ローンやリバースモーゲージと比較して、リースバックはかなり大きな額の資金調達ができるということがわかります。もちろん、通常の売却であればもっと高く売れますが、マイホームでの生活を維持しつつ、資金調達するにはリースバックは適した方法かと思います。