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【税理士監修】リースバックに税金?自宅売却の譲渡所得|税務について

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【税理士監修】リースバックに税金?自宅売却の譲渡結果|税務について

(この記事は2025年5月8日作成、2025年12月12日更新)

この記事は、司南税理士法人 品川オフィス
代表:仁保 修税理士に監修して頂きました。

司南税理士法人 品川オフィスのホームページは →こちら 

ご自宅のリースバックを検討中の方にとって、税金は気になるポイントだと思います。「ご自宅をリースバックした場合は税金がかかるのか?」「リースバック後の税金はどうのようになるのか?」そんな疑問をお持ちではありませんか?

もともと不動産のリースバックは会社同士の取引が主流で普及してきました。そのため、法人のリースバック時の税務上の扱いや仕訳についての説明はネット上でも掲載がありますが、「個人の場合の取り扱い」の情報は少なく、不安に思われている方も多いのではないかと思います。

この記事では、個人が所有している自宅や店舗などを、リースバックで売却する場合、どのような税金がかかるのか、リースバックにおける譲渡所得税の計算方法から、固定資産税、印紙税、登録免許税といった税金の取り扱いなどを説明させて頂きます。リースバックに関する税金の不安を解消し、制度内容等を理解した上で賢く活用するための情報を提供させて頂きます。

この記事の概要

リースバックや自宅売却に伴う税金の疑問を、税理士 仁保 修が徹底解説。譲渡所得税の計算方法、3,000万円特別控除などの特例、確定申告の必要性など、複雑な税務処理を網羅。後悔しないための正確な税金知識を提供します。

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目次

1.自宅のリースバックで税金がかかるのか?

自宅をリースバックした場合は税金がかかるのか?

リースバックを利用するということは、現在所有する不動産をリース会社に売却することになります。そのため個人が不動産を売却する場合と同じように、不動産売却によって売却利益が発生した場合に限り、不動産譲渡所得税が課税されることになりますので所得税の確定申告書を提出する必要があります。

なお、リースバックをした場合でも売却利益が発生しない場合には譲渡所得税は課税されませんので確定申告は必要ありません。

譲渡所得税は、個人が不動産売却により売却利益があった場合に、その売却利益(以下「譲渡所得」)に対して課される税金ですので、リースバックにより譲渡所得が発生するかどうかを確認する必要があります。

譲渡所得が発生するかどうかを判定するためには、譲渡収入、売却する物件の取得費、譲渡費用の計算が必要になります。

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① 譲渡収入

売却価格+固定資産税清算金(売却時に清算した固定資産税の未経過分)

② 売却する物件の取得費

不動産本体(土地・建物)の購入費用と購入時の付随費用(登記費用、仲介手数料など)を合算し、購入時から売却時までの建物の減価償却費を差引いた金額のことです。

購入時の契約書が無い等の理由により購入代金が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費とする事ができます。

③ 譲渡費用

譲渡(売却)する際にかかった費用のことです。不動産仲介業者に売却を依頼した際の仲介手数料や契約書の印紙代などが該当します。

譲渡収入、売却する物件の取得費、譲渡費用の各金額が確認できましたら次の計算により譲渡所得が発生するかどうかを判定して下さい。


(1)譲渡所得が発生する場合

譲渡収入 > (売却する物件の取得費+譲渡費用)

→ 譲渡所得あり → 所得税の確定申告が必要

(2)譲渡所得が発生しない場合

譲渡収入 ≦ (売却する物件の取得費+譲渡費用)

→ 譲渡所得なし → 所得税の確定申告は不要

譲渡所得が発生した場合は、不動産を売却した年の翌年3月に不動産譲渡所得について確定申告をする必要があります。


1-1.譲渡所得税の計算方法|所有期間5年以下の場合は注意

譲渡所得税の計算方法|所有期間5年以下の場合は注意

※譲渡所得税は、所有期間が5年以下だと税率が高いので注意が必要です。

譲渡所得税を計算する場合は譲渡所得を計算し、その譲渡所得に一定の税率を掛けて計算します。

具体的な計算方法は以下になります。

(1)譲渡所得 = 譲渡収入 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額

(2)譲渡所得×{所有期間に応じた一定の税率※}

所有期間に応じた一定の税率とは

譲渡所得税を計算するときに使う税率は所有期間によって、「短期譲渡所得税率」と「長期譲渡所得税率」に分けられます。

売却する不動産の所有期間が5年以下の場合は、「短期譲渡所得税率」を使用し、5年を超え場合は「長期譲渡所得税率」を使用します。

所有期間が5年以内の場合は短期譲渡所得となり、税率が高くなります。一方、5年を超える場合は長期譲渡所得となり、税率が低くなります。

所有期間が短期間の場合は税率が高く、所得税の負担も大きくなるため、リースバックを検討する際には、所有期間を確認し、税率を考慮した上で計画を立てることが重要です。

<譲渡所得税率>

•短期譲渡所得(所有期間が5年以下): 39.639%(所得税30.63%、住民税9%)

•長期譲渡所得(所有期間が5年超)  : 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

1-2.自宅所有期間10年超えで更に有利に

自宅所有期間10年超えで更に有利に

※自宅所有期間が10年を超えると、更に有利な税率で計算することができます。

所有期間10年超の自宅を売却した場合は、譲渡所得6,000万円までは通常の譲渡所得税率(30.63%や15.315%)ではなく、さらに有利な軽減税率(10.21%)の特例を使用することができます。

また、この「軽減税率の特例」は「居住用不動産を売却した場合の3,000万円の特別控除の特例」と併用することができます。

では、自宅の所有期間によって、どのくらい課税額が変わるのか、特別控除でどのくらい税額が軽減されるのか、次の表でチェックしてみましょう。

所有期間に応じた所得税率等
項目 短期譲渡益課税
(5年以下)
長期譲渡益課税
(5年超)
長期譲渡益課税(10年超)
所有期間 5年以下 5年超 10年超
所得税率 30.63% 15.315% ・6000万円以下:A × 10.21%
・6000万円超:
(A-6000万円) × 15.315%+600万円
住民税率 9% 5% ・6000万円以下:A × 10.21%
・6000万円超:
(A-6000万円) × 15.315%+600万円
譲渡所得の計算式 下記 X. 下記 Y. 下記 Z.

X.課税短期譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

Y.課税長期譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

Z.課税長期譲渡所得金額(A)=(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除

このように、所有期間や譲渡所得額に応じて、「どの程度の軽減税率が適用されるのか」「3,000万円の特別控除の特例を受けることができるか」などを確認することで、大まかな課税額を知ることができます。

ただし、軽減税率や3,000万円の特別控除の特例については、様々な要件を満たす必要があるため、一概に言うことはできません。リースバック取引の際は、税務署や専門家に相談するなどして事前確認しておくことが大切です。

2.自宅売却で、知っておきたい特別控除

自宅売却で、知っておきたい特別控除

リースバックを利用して自宅を売却する場合でも、一定の条件を満たせば居住用財産の「3,000万円の特別控除」の適用を受けることができます。譲渡所得税の負担を大きく軽減できる可能性があるため、必ずチェックしておきたい制度です。

2-1.【3000万円の特別控除】とは

3,000万円の特別控除」は、自宅(マイホーム)を売却して譲渡所得が発生した場合に、最高3,000万円までを譲渡所得から控除できる制度です。

この控除は、所有期間に関係なく適用できるのが大きな特徴です。

2-2.【3,000万円特別控除】の主な適用条件

この特例を受けるためには、以下のような条件を満たしている必要があります

  • ✅売却した物件が、自身の居住用であること
  • ✅過去に同じ特例を利用していないこと(過去2年間)
  • ✅売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと

特に「親子・夫婦・同一生計内の親族などとの売買」は、特殊関係者間の取引と見なされ、特別控除の適用外となるため注意が必要です。

この点について詳しくは、こちらの記事もご覧ください

【リースバック】で解決|親子間売買の問題点

2-3.リースバックの場合の注意点

リースバックでの売却相手が法人である場合でも、同族会社などの「特殊関係」に該当しなければ控除対象になります。

実際に国税庁の相談センターへ確認したところ(2020年12月8日)、第三者の法人を買主とするリースバックは通常、控除の適用対象になるとのことでした。

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3.リースバック期間の税務

リースバック期間の税務

リースバック契約で元所有者は、居住されていた不動産を売却後も、その物件に居住し続けることが可能となります。この「居住している期間」中の税務負担や注意点にはどんなことがあるのでしょうか。

3-1.賃料の支払いは経費扱いになる?

リースバック後は物件の所有者ではなくなり、賃貸人として賃料を支払う立場になります。 この賃料は、「個人の生活費としての支出」であるため、一般的には所得税上の経費にはなりません。

3-2.固定資産税などの負担は?

固定資産税などの負担は?

リースバック後の物件所有者(=買主)が固定資産税や都市計画税を負担するのが一般的です。 ただし、契約内容によっては固定資産税相当額を賃料に含めて支払うケースなど、借主側に一部負担が生じる場合もあるため、契約時に詳細を確認することが重要です。

3-3.確定申告の必要性は?

売却後に引き続き居住のみしている場合には確定申告は不要です。

ただし、売却により譲渡所得が発生した場合は、売却した年の翌年3月に確定申告書を税務署に提出する必要があるため注意しましょう。

4.リースバック期間終了時の税務

リースバック期間終了時の税務

リースバック契約が終了した際には、以下のように「退去する場合」と「買戻す場合」で税務上の扱いが異なります。

4-1.リースバック終了時、退去する場合

この場合、税務上の大きな変化はありません。すでに不動産は第三者に譲渡済みであるため、退去そのものによって新たな課税が発生することは基本的にありません。

リースバック終了後に元の所有者が自宅を買い戻す場合、いくつかの税金が発生します。

【リースバックの買戻し】関連コラムを読む

4-2.発生する主な税金

・ 登記手続きにかかる【登録免許税】

・ 登記完了後、半年程度で請求される【不動産取得税】

・ 所有権が戻る年の【固定資産税・都市計画税(日割り)】

・ 翌年以降の【毎年の固定資産税・都市計画税】

4-3.住宅ローン減税の注意点

買戻しの際に新たに住宅ローンを利用した場合でも、住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の適用が受けられるかは不明確です。

特に、元の所有者が再び住宅ローンを組むのはハードルが高いため、現実的には控除の適用は難しいと考えられます。

ただし、お子様など別の家族が買戻しを行う場合は、一定の条件を満たせば住宅ローン減税が適用される可能性もあります。この場合は、税務署に事前相談することをおすすめします。

5.リースバックの意外な落とし穴とは?税務上の注意点

リースバックの意外な落とし穴とは?税務上の注意点

リースバックは、まとまった資金を手に入れつつ、住み慣れた自宅にそのまま住み続けられるというメリットがありますが、見落としがちな「税務上の落とし穴」も存在します。

特に売却利益が出た場合の所得税の計算においては、所有期間等によって所得税額が大きく変わりますので、しっかり理解したうえで、計画をたてることが大切です。

5-1.譲渡所得税は「あとから」やってくる

リースバックでは自宅を売却することで譲渡益が生じた場合、その所得に対して譲渡所得税が課税されます。
しかし、不動産の売却では、売却金額を受け取った時点では税金は引かれておらず、翌年の確定申告時により納税義務が発生します。

「現金を手に入れたから安心」と思っていると、翌年の納税で、その後の生活資金設計の変更を余儀なくされることもあるので注意が必要です。

5-2.納税資金を確保しておくことが重要

リースバックを利用する際は、譲渡所得税の見積もりを事前に行い、納税が発生しそうな場合は、納税資金を確保しておくことが非常に重要です。

特に、リースバック後に他の支出(医療費、生活費、借金返済など)がある場合は、税金の負担が後回しにならないように注意しましょう。

「せっかく資金を確保したのに、税金で消えてしまった…」とならないように、事前に専門家(税理士等)に早めに相談することをおすすめします。

6.まとめ|リースバックと税金の関係を正しく理解しよう

まとめ|リースバックと税金の関係を正しく理解しよう

リースバックは、資金確保と住み続けられる安心を同時に得られる便利な仕組みです。しかし、不動産の売却である以上、税金の問題とは切っても切り離せません。

譲渡所得税や各種控除、さらにはリースバック終了後の買戻し時にかかる税金まで、事前に把握しておくことで、思わぬ出費やトラブルを回避できます。

特に以下の点は要チェックです。

  • ✅売却益が出る場合には、譲渡所得税の申告・納税が必要
  • ✅自宅であれば【3,000万円控除】などの特例が適用できる可能性あり
  • ✅リースバック終了後に買戻しを行う場合には、不動産取得税等、新たな税負担が発生
  • ✅税金は「あとから」請求されるものが多いため、納税資金の試算や準備が重要

また、個別のケースによって控除の可否や課税内容が異なるため、専門家(税理士や不動産のプロ)への早めの相談がとても大切です。

リースバックを安心して活用するためには、「目の前のお金」だけでなく「将来の税金」にも目を向けましょう。


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