
不動産と子供、あるいは不動産相続について考えさせられる場面があります。
中でも親子関係や兄弟姉妹の関係は、不動産が絡むと、特有の問題が浮き彫りになるものです。
今回は「将来、子供たちが安心して暮らせるように」と願う親心が裏目に出てしまったケースをお伝えします。
目次
1.不動産相続 親子関係と兄弟姉妹の関係

親にとって、子供たちは自分たちから生まれた存在。でも、それぞれ全く違う個性を持っていると最近改めて感じます。
そして、子供達が大人になっても変わらず仲のよい兄弟姉妹でいてほしいと考えるのが親心でしょう。
ところが、このような親心が原因で、数年後に問題が噴出してしまったということも少なくありません。
実際に、「将来、子供たちが兄弟姉妹、離れることなく安心して暮らせるように」と自宅の土地に、共同ビル(*¹)や区分所有のマンションを建てたい、というご相談を承る機会が数件ございました。
そのお気持ちはよく分かります。でもこれが子供たちを思いもよらぬ方向に導いてしまう場合もあるのです。
2.相続が原因?共同ビルで暮らす口も利かない兄弟

亡くなった親の意向で、共同ビルの最上階とその下の階に住んでいる兄弟のケースをお話しします。
彼らは、共有で相続したビルの、最上階とその下の階という身近な環境で暮らしてきたのですが、近すぎるからこそ些細な兄弟喧嘩などもあったのでしょう。
何十年もの間、何とかやり過ごしてきたものの、歳を取るごとに、どんどん兄弟仲が悪くなってしまいました。
今でも同じ建物に住んではいますが、お互い「顔を合わせることすらイヤだ!」といった関係なのだそうです。
そのご兄弟の共同ビルで、管理のトラブルが生じ、弟さんから相談が寄せられました。
解決するために、お兄さんに同席して頂く必要があったのですが、応じては頂けず、断念せざるを得なくなりました。
他にも、タウンハウスの様に「横並びで兄弟が住めるように」と親が相続させた建物の場合でも、騒音問題や、大規模修繕のタイミング、どの様な工事をするか、などで揉めてしまうケースも多くあります。
3.不動産に縛られる家族や子供の人生

不動産投資のオーナーや、地主の方の中には、ご自身の不動産に執着し過ぎてしまう方がいらっしゃいます。
そのような方は、家族や子供をその不動産で縛ろうとする傾向があるようです。また、そのお子さんが、ニート化する傾向が非常に高いというのも驚きです。
4.相続した先祖代々の不動産に一生を捧げた女性
相続した先祖代々の不動産に一生を捧げた女性の話をしましょう。
ある郊外に住む高齢の女性。彼女は地主の一人娘だそうです。
一見、彼女は高齢となった今も「先祖代々の不動産を守れ」という親の言いつけに従い、その信念を貫いた強い女性のように見受けられます。
ただ、「財産目当て」を警戒し過ぎたあまり、結婚もしなかったといいます。ただひとり、先祖代々の不動産を守るため、生涯ずっと同じ場所に住み続けるという境遇の彼女が、人生を謳歌してきたようには思えないのです。
5.まとめ
多くの不動産をお持ちの地主の方に提言したいことは、「あまり古い考えに固執しすぎないでください」という事と、「子供にとっての幸せってなんだろうと考えてください」という事です。
親心とは言えども、子供を小さな頃のイメージのまま、生まれ育った場所に住まわせる事って違うよね!というのが私の意見です。
なぜなら、実際に不動産相続のトラブルは、兄弟姉妹の「共有」であったり、相続人の「居住を制限する」ような事が根源となることが多く、そこから問題が大きくなってしまうケースも数多く見ているからです。





